はり灸は癒し上手  福井の鍼灸師ノートから G

2001年 (平成13年) 5月25日 (金曜日)

スポーツと切れぬ仲  好プレー陰で支える

 一九九四年から九八年にかけ甲子園をわかせた敦賀気比高野球部。夢にまで見た甲子園でナインのハッスルプレーを、はり灸が支えていたのをご存じだろうか。監督の知り合いということもあって、鯖江市の鍼灸師が甲子園まで出向いて宿舎に″臨時治療院″を開設、選手にはり治療を施した。県予選からの連戦で中には満身創痍の状態の選手も。「肩が痛くて・・」「腰が重い・・」とナインの訴えもさまざまだった。

 ある年の夏の大会、ベスト8進出をかけた試合を翌日に控え、選手も就寝しかけた午後十一時ごろ、ある選手が「腕が動かんのです」と訴えてきた。夜の素振りで痛めたのだ。しかもレギュラー選手。「こんな時間から、明日は無理だよ」「先生、そんなこと言わんと、僕絶対出たいんや。出てヒット打ちたいんや」。選手の熱意に押され、深夜の治療となった。翌朝も試合ぎりぎりまで治療を続けた。その成果もあって彼は翌日も出場、見事ヒットをかっ飛ばした。

 野球に限らずスポーツ選手の場合、練習のし過ぎからくる痛みに悩まされる人は多い。その痛みの大半は、筋肉の使い過ぎ、筋肉疲労からくるもので、微妙な筋肉の不調和を整え、その人の運動能力をアップさせるために、はり灸が大きな力を発揮するわけだ。

 スポーツで身体を痛める場合、「ポールを投げようとする瞬間だけ、腰に痛みが走る」とか「ゴルフのスイングをすると腰が痛い」とかの訴えがある。関節の痛みは離れた筋肉のけがからきていることも多く、プレーしている時と同じ格好をさせて、「ここか」「ここか」と原因の筋肉を探し出し、中腰姿勢ではりを打つこともある。まるで「はりのアクション打ち」である。

 最近ではプロ野球やJリーグ、陸上のクラプなど選手の健康管理や故障に備えて、はり灸ができるトレーナーを雇うのも当然のようになってきている。また国体やユニバーシアードなどの大会場には、選手のためにはり灸コーナーが開設されている。全国的には、スポーツ鍼灸の学術講習会も誕生している。今やスポーツとはり灸は切っても切れない関係と言っていいかもしれない。

 一昨年、県内で開かれた「ねんりんピック」では、県鍼灸師会は清水町のふくい健康の森にはり灸コーナーを開設した。この勢いで、ぜひ今年の福井マラソンでも会場にはり灸コーナーを設け、ランナーたちの足を癒したい。  (県鍼灸師会青年部)

(イラストは鍼灸師の中村寛さん)

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