はり灸は癒し上手 福井の鍼灸師ノートから E
2001年(平成13年)5月11日(金曜日)
逆子赤ちゃんくるり 母体血行よく胎児活発
先週に続いてお産の話。妊娠中に気になる症状の一つに「逆子」がある。たいていは自然に治るものだが、八ヵ月をすぎ、十ヵ月の産み月を迎えても治らないケースもある。そんな時の妊婦さん、特に初産の人ならその気持ちは不安でいっぱいになるもの。だが、この「逆子」も、はり灸でかなり高い確率で治すことができる。
福井市内のある産婦人科の病院では八ヵ月ぐらいで逆子と分かると、まず逆子体操を指導、それでも治らない場合に、はり灸治療院を紹介している。他県では病院ではり灸を打つところもあるようだが、県内では治療院を紹介するケースが多い。
治療の仕方としては、まず足のつめの生え際にある「至陰」というツボに米粒大のお灸をすえる。ここにお灸すると、自律神経系の興奮が促されるなどの効果があり、中国古典によると子宮を温める作用があるとされている。
次に両足首の内側にある「三陰交」にはりを打ちます。このツボには、子宮が温められて興奮した自律神経系の働きを鎮める作用があり、母体に刺激と沈静を与えることで下腹の血行がよくなり、その結果、胎児の動きが活発になるわけだ。
「はり灸は初めて」との妊婦さんが多いため、「大丈夫でしょうか」「おなかに、はりを打つんでしょうか」と不安がる人も多いが、早い人で二、三回の治療で治ってしまうケースもある。中には三十回も通ったケースもあるし、産婦人科の先生が「こりゃ、赤ちゃんが、まるでバレリーナの格好だな」という逆子の場合も、粘り強い治療で治ったことも。臍の緒が胎児にまとわりついた場合は無理だが、「九割の確率で治る」という専門家もいるほど。
逆子に限らず、お産の時は妊婦はさまざまな不安を抱えるもの。腰痛、坐骨神経痛、肩こり、足のつりなどにもはり灸治療は効果があるし、それまで「あまり赤ちゃんが動かない」と言われたケースでも、治療によって胎児の動きが活発になることもあります。また産後に乳腺炎などを起こし「お乳が出ない」というケースでも治療で、改善されたりします。お産とはり灸は縁が深いと言えましょう。