はり灸は癒し上手 福井の鍼灸師ノートから @
2001年(平成13年)4月6日(金曜日)
あなたも食わず嫌い ためしてみたらとりこ!!
癒しブームである。音楽ではヒーリングが流行したり、アロマ(芳香)や温泉も身近な癒しとして人気がある。ところが、昔から身近なところにある癒しの代名詞といえば、はり灸だったことをご存じだろうか。東洋医学の柱であるはり灸の魅力を、県内の鍼灸師のノートから拾い出してみた。
はり灸は経験がないと、「痛い」「怖い」などのイメージが先行する。一種の食わず嫌いである。福井市内の工場に勤務するある三十代の女性もそうだった。職場のストレスからくるのか、めまい、どうき、精神不安定、さらに肩こり、イライラと現代病を一手に引き受けたような症状だった。その彼女が思い切って、福井市内の鍼灸院を訪れた。ところが、待合室にいる間に「やっぱり、いいです」と帰ってしまった。一ヵ月後に再挑戦、ところが来院した中学生がふざけて出した大声にびっくり。「また来ます」とまた退散。
それでも懲りずに数週間後に来て、ようやく治療開始。それでも「はりは嫌、お灸から」。それから数カ月治療を受け続けるうちに隣のベッドから「はりは気持ちいい」「楽になる」の声に誘われて、ようやく決心した。最初の来院から数力月がかりだったが、そんな彼女も「はりのおかげ」と病状回復を真から喜んでいる。
もともとはり灸は、身体に三百六十五以上あるというツボを刺激し、その人が本来持つ「治そうとする力」「より健康になろうとする力」がうまく身体の中をめぐるように手助けするもので、刺激することで、筋肉を緩ませ、脳もリラックスさせる。こうしてストレスが和らげられると、心も明るくなり、やる気が出てくるというわけだ。
はり灸の食わず嫌いだった彼女も四年の治療院通いで精神不安定も解消し、治療院にも「最近はすっかり調子がいいんですよ」との手紙も送られてきた。今は育児に仕事に張り切っている。彼女の場合は、職場や家庭内でのゴタゴタ、イライラが遠因にあり、治療中に聞いてもらうという心のケアも功を奏したのかもしれない。めまいや肩こりの症状が表れる「背景」を聞いてあげるのも鍼灸師の仕事なのだ。
もっとも、この国の最高責任者、森総理も腰痛ではり治療をして、他の面で痛い目にあっているようだが・・・。ストレス社会といわれる現代、福井の鍼灸師たちが、自分たちのエピソードを盛り込みながら、このコーナーではり灸ワールドの奥深さを紹介する。
(県鍼灸師会青年部、イラストは鍼灸師の中村寛氏)
スーパースターだって「ローマの灸日」
